回答:
ホタテ貝殻の嵩比重は状態によって大きく変わるので、おおよその目安にしかなりませんが、粉末にしたもので1.07という北海道工業試験場の測定値があります。
ホタテ廃棄物はウロ部分と貝殻部分に区分されます。
ウロ部分は栄養価が高いので飼料や肥料の原料となり得ますが、悪臭やカドミウムなどの重金属を含む点に問題があります。
貝殻は付着するウロの断片が悪臭の原因となりますし、量が多いことに問題があります。
ホタテのウロを有効利用するためにはカドミウム除去処理方が必要となります。
カドミウム除去後のウロの用途としては釣り餌(フィッシュミール)や飼料・肥料などが考えられています。
たとえば、
マリンネット北海道のWebにありますように、原理的には酸でカドミウムを溶出した後水洗を繰り返すことでカドミウムを除去できますが、最近、北海道工業試験場を中心としたグル−プが酸処理後に電気分解を行うことによるカドミウム除去法を開発しました。
これについては
ユニレックス社のWebサイトに簡単な紹介記事があります。
また、札幌にあるバイオベンチャ−企業の
マリンサイエンス社は希硫酸とイオン交換繊維を用いた安価なカドミウム分離技術を開発しています。
ホタテの貝殻については、主成分が炭酸カルシウムですので、焼成・粉末化した後、建材やセラミックスの原料に用いたり、 安価な回収塩酸と反応させて融雪剤作るなどの利用例があります。
残念ながら当所の研究報告の詳細を掲載しているWebサイトは未だ用意されておりませんが、当所と共同研究を継続してきた北海道立工業試験場の報告がWebサイトでご覧になれます。
詳細な研究内容をご覧に成りたい場合は、
北海道立工業試験場のWeb をおとずれ、冒頭の検索窓を利用して(たとえば「ホタテ」で検索)ください。