TN49 ごみ質の分析技術

 相手先企業の内容

  企業名:株式会社ホクネン化学

  従業員数:25名

  資本金:1千6百万円

  売上高:1億6千万円

  業種:サービス業(環境調査)

 

 技術指導実施までの経緯

  当社では、数年以前から、道内の各自治体より都市ごみの分析調査を依頼されてきた。これらの調査の目的は、主として新規に焼却炉を建設するための基礎資料とするものである。

  都市ごみの分析は、三成分分析、すなわち、可燃分、水分、不燃分の値を出し、それからごみの発熱量を推定するのが一般的である。

  発熱量は、ポンプカロリーメーターで直接測定することが最善であるが、実際問題として技術的に困難な点が多い。従って、前述のような計算を行うのであるが、その内容には不確定な要素が多い。とくに、プラスチック類が多量含まれてくると一層困難となる。よって、厚生省で示された推算式のほか、多数の式が提出されており、いづれを採ってよいか判断がつかなかった。

  幸い、北開試で、その点の研究が行われていることを知ったのでご指導を仰いだ次第である。

 

指導内容

  上川郡下川町及び南部後志地区の都市ごみについて、ごみピットから100kg採取し、充分混合のうえ6kgの試料を得ることとした。これを数回にわたり、北開試の指導によって上記三成分分析を行うと同時に、ポンプカロリーメーターにより発熱量(He)を測定した。そして、それらの値を水分(W)、可燃分(X)についてプロットしたものが図1、図2である。

 



ごみの水分と発熱量の関係
TN49F1.gif

 



ごみの可燃分と発熱量の関係
TN49F2.gif

 

  ごみの性質上多分のばらつきは致し方ないが、いづれも東京都、札幌市のデータと大きな差異はなかった。

  これらの結果、推算式として

    He = 3200 - 3600W  (1)

  又は

    He = 5300V - 500  (2)

  が得られ、(1)(2)から

    He = 4600V - 500W  (3)

  が求められた。

 

 技術指導の効果

  その後、数ケ所の自治体から依頼分析を受註しているが、上記の経験を基本として、都市ごみの発熱量の推定を自信をもって行っており、分析価値を高めることができたと考えている。