紫外線の増加が遺伝子の機能に及ぼす影響

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大塚栄子
2000年12月 北海道通産情報ビ・アンビシャス 55(12),38-39

 遺伝子の本体であるDNAに紫外線が照射されると様々な損傷が生じる。 DNAの紫外線損傷は近年、オゾン層の破壊から増加の傾向にあり、その遺伝情報伝達への影響が危惧されている。 つまり、損傷を受けたDNAが複製されるときに誤った情報を伝えると、誤った蛋白質である変異体を生ずるからである。 このような変異が生物の生育にとって重要な蛋白質に起こると、細胞が異常に増殖してがんの引き金になると考えられる。
 遺伝子の一部分を有機化学と酵素反応を用いて構築することによって損傷を含む遺伝子の働きを人工的に再現して調べることができる。 細胞の増殖に重要な遺伝子の一つであるras遺伝子における紫外線損傷による変異とその結果について述べてみたい。 また、このような損傷を修復する酵素があることを紹介したい。