冬眠動物の褐色脂肪細胞に関する研究
扇谷悟
2000年3月 北海道通産情報ビ・アンビシャス 55(3),42-43
脂肪細胞は大きく白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類に分けることができます。
日常生活で「脂肪」と呼んでいるのは白色脂肪細胞で、余った栄養分を脂肪として溜め込むエネルギーの一時保管庫です。
一方、褐色脂肪細胞は脂肪を「燃や」して発熱するという、他の組織にはない極めて特異的な機能を有しています。
これは、Uncoupling proteinという褐色脂肪細胞でしか生産されない特殊なタンパク質によって担われており、褐色脂肪細胞にはこのタンパク質を含んだミトコンドリアが多量に含まれています。
マウスなどを低温に晒すと、褐色脂肪細胞がUncoupling proteinの増産を伴って増殖して、発熱能力をアップすることにより、環境温度が低くても体温を維持できるようになります。