Cu系形状記憶合金の性能改質に関する研究
鈴木良和/ 下川勝義/ 皆川秀紀
2000年8月 粉体および粉末冶金 47,830-837
本研究は,これまで主としてTi-Ni系で進めてきた研究成果に加え,さらに低温対応の形状記憶合金の開発に必要な基本的な技術を見いだす事を目標としている.
Ti-Ni系では,SHS反応による半溶融状態から急熱・急冷及び微小重力場を利用して多孔質化した形状記憶合金の製造を試み,その物性評価から本法による改質効果を明らかにしてきた.
この場合,多孔質体の気孔の寸法が大きくなるため,製品の強度はそれだけ小さくなり,また気孔分布の再現性等で実用化に向けた技術開発が残されている.
本研究は,これらの研究の一環として,実用面では強度上今一歩のCu系を素材とした形状記憶合金について今一度見直し,その特徴をうまく引き出しながら寒冷地用としての素材に改質出来る可能性について検討したものである.