短時間微小重力環境の材料創製への応用-1.2秒の壁を超えて-

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皆川秀紀
1999年9月 通産ジャーナル 32,52-53

 今から約五年ほど前のことになるが、金属や半導体材料融液の凝固処理を落下実験装置で行う研究に関してお話しする機会をいただいたが、あまり信じていただけなかったように記憶している。 宇宙実験であれば長時間の処理が可能であるが、微小重力環境が一〇〜一秒間の落下装置での溶融・凝固処理に関しては、冷却速度や熱の移動の問題点もあって信憑性に欠けたのであろう。 しかし、その当時から世界の微小重力環境利用研究は急速に進展し続け、過飽和溶液中での急速結晶成長や過冷却状態を経た半導体融液の急速な凝固速度等が次々と報告されていた。
 そして現在、宇宙実験と同様に、あるいは汎用性という観点からは、より実用的な材料の工業生産手段として落下実験装置が注目されるようになっている。 北海道工業技術研究所においても新しい研究の成果が数多く公表され、世界的に高い評価を得るようになった。 今回は、渦中の特攻隊のような研究者の裏話を少々ご紹介したい。