流動層を使った排ガス循環CO2/O2石炭燃焼における炉内脱硫と2段燃焼の特性

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細田英雄/ 平間利昌
1999年9月 化学工学論文集 25,735-741

 気泡流動層による石炭燃焼にCO2/O2燃焼法を適用し,SO2,NOxおよびN2O発生量低減のために石灰石の炉内供給と多段燃焼の効果を実験的に検討した. 実験には内径が0.158mで高さ3mの装置を使い,オーストラリア産の瀝青炭と津久見産の石灰石(1〜3mm)を試料とした. そして,CO2/O2燃焼による結果を通常の空気燃焼の場合の結果と比較した.
 CO2/O2燃焼条件下で1090〜1150Kの範囲での脱硫率は空気燃焼における値よりも大幅に高かった. 物質収支を基本にした単純なモデル解析の結果,このようなCO2/O2燃焼条件下での高い脱硫率は,主に排ガスのリサイクルによってSO2と石灰石粒子の接触(反応)時間が延長されたことによってもたらされていると判断された. 2段燃焼はNOxとN2O発生量の低減に効果的であり,空気燃焼と同様に1次酸素の分配比が0.8付近でこれらの発生量が最小化され,単段燃焼時の2/3以下になった. このように,CO2/O2燃焼法はCO2の回収だけでなくSO2およびNOxとN2O発生量の低減にも優れた燃焼法である.