高まる天然ガス利用への期待
吉田忠
1999年8月 北海道通産情報ビ・アンビシャス 54(8),46-47
生産段階から見ると、天然ガスは思ったよりクリーンでない。
しかし、石炭や石油に比べると天然ガスの利便性は高く、その魅力に目をつぶることはやはり難しい。
と云う訳で、今世界的に天然ガスの利用技術への関心が高まっている。
例えばカナダでは、オタワにあるエネルギー研究所が中心になって、米加の企業を含む研究組合を設立してメタンの転換技術の開発を進めている。
また、米国でも有力企業が集まって酸素透過型セラミック膜を用いて空気からの酸素分離、水蒸気改質、天然ガスの酸化反応を一段で行う合成ガス(H2とCOの混合ガス)の製造法を開発中で、大幅なエネルギー効率の改善とコスト削減を目指している。
北海道においても、苫小牧勇払地区から非常に良質の天然ガスが生産されており、札幌圏の都市ガスとしての利用の他に、付加価値の高い製品に転換できる技術開発に産学官の各方面から今熱い視線が注がれている。