ガスハイドレートを利用して北海道に新たな産業の創出を
成田英夫
1999年3月 北海道通産情報ビ・アンビシャス 54(3),36-37
北海道工業技術研究所では、平成3年度から地球温暖化ガス隔離技術確立のための炭酸ガスハイドレートに関する研究、平成6年度から非在来型天然ガス鉱床開発のためのメタンハイドレートに関する研究を行ってきました。
これらの研究では、反応速度、反応機構、分光学的特性など、物質としての基礎特性の解明を中心に取り組みましたが、これらを通して、メタンハイドレートを始めとするガスハイドレートは、物質としても面白い性質を持っていることが分かってきました。
その主な特徴は以下の通りです。
1.
水1gあたり200ml以上のガスを取り込むことが出来る。
(高いガス包蔵性)
2.
生成・解離反応において大きな発熱、吸熱現象が認められる。
(大きな生成・解離熱)
3.
わずかな温度差でも多くのガスの吸収・放出が認められる。
(高い生成・解離差圧)
4.
ガスの種類によって、生成・解離反応条件が大きく異なる。
(高い反応選択性)