水の凍結温度を制御するバイオ物質の分子構造解析

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ PDF(イメージ)を見る

近藤英昌/ 津田栄
1999年3月 北海道工業技術研究所報告 73,7-13

 人工降雨物質としてヨウ化銀(AgI)がある。 ヨウ化銀は水の凍結開始温度を-8℃まで上げることのできる強力な氷核物質である。 飛行機で上空に昇り,この氷核物質を空中に散布することにより人工雨を降らせるわけであるが,ヨウ化銀を大量散布することが安全なのかどうかは明確ではない。 また別の例を挙げると,水の凍結を防ぐ目的で添加する不凍物質としてエチレングリコールがある。 このエチレングリコールも毒性が指摘されているため大量に食品添加物として使用するには問題がある。 このような化合物に代わる,確かな安全性をもち,安価でかつ強力な氷核物質や不凍物質は果たしてこの世に存在するのであろうか。 われわれはこれらを生物界に求めた。 その結果,寒冷地の生物が有する氷核タンパク質と不凍タンパク質という2種類の水の凍結制御物質に注目し研究を続けている。