石炭灰からの高性能脱硫剤の製造に関する研究

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山田勝利/ 武田詔平/ 鶴江孝/ 野田良男/ 石崎紘三
1999年1月 北海道工業技術研究所報告 72,13-19

 本研究は,通商産業省・工業技術院が実施している「国際産業技術研究事業」の特別研究(平成6年度〜平成9年度)として,フィリピン科学技術省・産業技術開発研究所との間で行われた。
 これまでの研究で,石炭灰と石灰石(ライムストン)を原料とする脱硫剤の製造は,熱水或いは水蒸気の養生反応でカルシウム-アルミナ系,カルシウム-シリケート系化合物を形成し,これが脱硫反応を示す物質となっていることが明らかになっている。 しかし,石灰石は石炭灰と熱水中での反応性が非常に悪い。 このために約900℃で焼成して生石灰(CaO)に変え,さらに水と反応させて消石灰[Ca(OH)2]にして反応性を高めてカルシウム源としている。 このプロセスは大量の熱源と大型の装置を必要とし,製造コストの点でフィリピンに適用することは容易でない。 そこで,本研究では石灰石の前処理を簡便にした乾式脱硫剤の製造法を提案し,諸性能について検討した。