石炭直接液化反応器における三相流動特性

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井戸川清
1999年1月 北海道工業技術研究所報告 72,1-12

 石炭の液化プロセスでは,予熱を含めた液化反応工程が主要工程である。 液化反応器には石炭粒子と液化油の一部を混合したスラリーを高圧の水素ガスとともに予熱後,底部から吹き込む。 水素ガスは高温,高圧の反応器内を気泡として通過してスラリーを混合する。 したがって,反応器内のガスホールドアップはスラリーの滞留時間や混合を左右するので,反応器の操作条件の設定やスケールアップには不可欠な知見である。 しかしながら,反応系が高温,高圧の気液固三相系であるため,流動特性測定に著しい制約を受けるので,これまでこれについてはほとんど明らかにされていないのが現状である。 そこで本研究は,液化反応器のコールドモデルにおいて種々の条件で気泡の挙動とガスホールドアップを測定し,流動特性に対する圧力の影響を系統的に明らかにすると同時に,回分式反応器実験とベンチスケール液化プロセスの流通式反応器実験を行って,液化反応成績に対する流動特性の影響を解明し,液化反応器の工学的設計指針を得ることを目的として行った