人工メタンハイドレートのラマン分光測定

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ PDF(イメージ)を見る

内田努/ 平野貴史/ 前晋爾/ 成田英夫
1998年3月 北海道工業技術研究所報告 71,38-43

 メタンハイドレート中のメタン分子濃度を、ラマン分光法を用いて測定する方法を開発した。 人工メタンハイドレート試料についてラマン分光測定を行った結果、ハイドレート中の大小2種類のケージに含まれるメタン分子の占有率を分離して観測できることが明らかになった。 そこで様々な条件の下で生成させた試料について測定を行い、生成する条件の違いによるメタン分子のケージ占有率比の違いや、試料の水/ガス比の違いを調べた。 その結果、ハイドレートの占有率比はメタン分子のケージ中への取り込まれ方に最も依存していることが示唆された。 さらに、水/ガス比とラマンスペクトル強度との検量線を求めた。 この検量線を用いることで、試料内部のガス濃度を非破壊で測定することができるので、ラマン分光法を用いた測定は天然ガスハイドレート試料等の分析に適している。