Structure and Compositional Analysis of In-Sb Alloys Produced by Directional Solidification in Microgravity and Normal Gravity Conditions
(微小重力環境下と常重力環境下にて熔融凝固したIn-Sb合金の構造と組成分析)

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Minagawa,H./ Suzuki,Y./ Shimokawa,K./ Ueda,Y./ Nagao,J./ Kawabata,J.
1997年3月 Microgravity Science and Technology IX(2),58-61

 高品質合金の合成においては熔融金属からの凝固が一般的に非常に困難です。 何故なら,熔融金属の攪拌や初晶成長にともなう相分離,不均一核成長等を制御することが困難であるからです。 しかしながら,最近,結晶密度や熔融体密度の相違に起因する対流や比重分離を抑制するために微小重力環境下において熔融金属を凝固し合金を合成する実験が行われています。 本研究では北海道工業技術研究所の1.37秒の落下実験装置を用いて均一なインジウム-アンチモン合金の合成を行いました。 さらに,熱力学的な準平衡状態での高品質なInSb合金合成技術の開発も行いました。
 In-Sb合金材料はIn-P等と並んで赤外線検出器やホール素子などとして非常に有用な材料です。 電子材料として通常使用されているIn-SbはIn(50at.%)-Sb(50at.%)という組成で使用されています。 従って,In-Sb合金の作製においては,Sbの初期凝固,In-Sb系共晶合金の初期成長にともなう溶融体中の相分離が時間とともに進行し,不均一な材料を生じることが問題視されています。 この合金材料の合成を微小重力下で超高真空環境下での熔融・凝固処理を行うことで,相分離を抑制し均一な合金材料を作製することを試みました。
 微小重力下でIn-Sb合金を作製した場合においては非常に均一な構造・組成が得られ,結晶構造はX線ラウエ分析からほぼ単結晶と同じ構造を有することが確認されました。 一方,常重力下で作製したIn-Sb合金は組成・結晶性が非常に不均一であり,多数の気泡が確認されます。
 短時間微小重力環境を利用することで簡単に,しかも短時間で高品質のInSb合金が合成できることが本研究から明かとなりました。