Theory of Donor Fluorescence Governed by Discrete Energy Transfers between RE-ions in Glasses
(ガラスに添加した希土類イオン間の離散的エネルギー伝達を基礎とするドナー蛍光の理論)
Tonooka,K./ Yamada,K./ Kato,Y./ Hayakawa,T./ Kamata,N.
1997年4月 Journal of Optical Society of America B1,713-721
エネルギー・ドナーとエネルギー・アクセプタの距離に依存するエネルギー伝達確率を統計的に扱うことにより、ガラスに添加した希土類イオンのエネルギー・ドナーとしての応答を表現できるモデルを構築した。
ドナーとアクセプタの空間的な相互配置を表す分布関数については、ドナーに対しての第4近接アクセプタまでを考慮した。
励起エネルギーが離散的に伝達されることが、エネルギー・ドナーのマクロな応答に特徴的な非線形性にとって本質的に重要であることがわかった。
テルビウムの蛍光について、連続光励起による定常状態およびパルス応答の実験結果をこのモデルにあてはめたところ、エネルギー伝達の臨界距離とアクセプタのエネルギー緩和速度をフィッティング・パラメータとして良い一致を得た。
エネルギー伝達の距離依存性は、テルビウムからネオジウムへの伝達およびテルビウム間の伝達で、ほぼ-8乗に比例することがわかった。
このモデルによれば、実験結果を説明するためにはドナーから第2近接アクセプタまでのエネルギー伝達を考慮すれば十分であった。