乳酸の分離精製に関する研究-逆浸透法の基礎的検討-

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Liew,M.K.H./ 田中重信/ 森田幹雄
1997年3月 北海道工業技術研究所報告 69,32-40

 ポリアミド系複合逆浸透膜を用いて、乳酸並びに乳酸塩水溶液の物理化学的性質と逆浸透法の効果との関係を回分法で検討した。 この複合膜はpH2.2で膨潤するが、顕著な溶質・膜相互作用は観察されなかった。 操作圧力、原料濃度、撹拌速度などの操作条件を調べた結果、最適操作条件は操作圧が7MPa、撹拌速度は900rpmとなった。 透過量の減少とともに溶質分離係数は増加し、乳酸溶液、乳酸アンモニウム溶液、乳酸ナトリウム溶液の透過量と溶質分離係数はそれぞれ(0.66m3m-2d-1:5.8)、(0.30m3m-2d-1:18.3)、(0.18m3m-2d-1:>80)であった。 この関係は、原料溶液のpHで支配される溶質の解離イオン濃度と関連づけられることが明らかになった。