炭酸ガスレーザーで合成した炭化ケイ素-窒化ケイ素複合超微粒子の29SiマジックアングルスピニングNMRとESRによる構造解析
鈴木正昭/ 長谷川義久/ 相沢正之/ 中田善徳/ 奥谷猛/ 魚崎浩平
1997年3月 北海道工業技術研究所報告 69,16-27
CO2レーザーで合成した炭化ケイ素-窒化ケイ素複合粒子(SiC-Si3N4)の構造をマジックアングルスピニング核磁気共鳴(MAS-NMR)と電子スピン共鳴(ESR)によって調べた。
シリコン(Si)原子の周りの構造は窒素を導入することで変化した。
シリコン原子のまわりの炭素原子は窒素によって置換され、窒素量が多くなるにしたがって順次窒素リッチな配位が増加した。
窒素含量の低い複合粒子は主として固溶した窒素を含むベータSiC相からなっていた。
窒素原子は一部ベータSiC微結晶中に存在し、一部は粒子内の粒界に存在する。
ベータSiC微結晶中では窒素は4個のSiに囲まれた4配位として存在し、粒界相では3個のSiと結合した3配位で存在する。
高窒素含量の粒子はSiC,Si3N4アモルファス相からなり、それぞれの量は窒素量によって変化した。