Comparative Study on Cytochrome Content of Alkaliphilic Bacillus Strains
(好アルカリ性Bacillus属細菌のチトクロム含量の比較)
Yumoto,I./ Nakajima,K./ Ikeda,K.
1997年5月 Journal of Fermentation and Bioengineering 83,466-469
DNAのG+C含量が34.4%から45.3%までの広範囲の好アルカリ性Bacillus属細菌のチトクロム含量を測定した。
G+C含量が36%前後の通性好アルカリ細菌4株とG+C含量が41.4%の絶対好アルカリ性細菌1株が供試した好アルカリ性細菌の中で比較的高い全チトクロム含量を示した(0.3nmol・mg cells-1以上)。
特に,他の菌株と比較してそれらの菌株はチトクロムaについてはそれほど高い含量を示さなかったが,高いチトクロムbおよびc含量を示した。
供試した好アルカリ性細菌のチトクロム含量はG+C含量が40%前後の2株をのぞき中性細菌であるBacillus subtilusよりかなり高い値を示した。
以上の結果は好アルカリ性細菌が高アルカリ環境に適応するためのエネルギー獲得における戦略には種々の様式が存在すること及びある特定の種の好アルカリ性菌においては,チトクロムbおよびcがエネルギー獲得上重要な役割をはたしていることを示唆している。