Kinetics of High-Conversion Hydrocracking of Bitumen
(ビチューメン水素化分解反応の高転化率における反応速度論)

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Nagaishi,H./ Chan,E.W./ Sanford,E.C./ Gray,M.R.
1997年4月 Energy & Fuels 11,402-410

 タールサンドビチューメンの水素化分解において,とくに高転化率(90%以上)での残さ成分の転化反応および蒸留成分収率の速度論を展開するために,1Lの流通式撹拌型反応器を用いて多段階反応操作を行ない反応速度の測定を行った。 すなわち,第1回目の反応で得られた液状生成物を再度,2回目の反応試料として用い,順次生成物を次の反応物として用いて多段階で水素化分解反応を行った。 触媒には,Ni/Mo担持のγ-アルミナを用い,触媒を用いないときと比較した。 得られた液状生成物は蒸留分別,元素分析および13C-NMRを用いて分析した。 反応温度における反応器内の生成物の蒸発を考慮して液の滞留時間を補正して残さ転化反応の見かけの一次反応速度定数を求めたところ,速度定数は転化率の増加とともに減少した。 この減少は,触媒の有無に拘わらず残さ中の芳香族炭素量と相関があった。 触媒存在下での硫黄化合物の転化反応については,チオフェン型硫黄からサルファイド型硫黄への単純な転化反応モデルによって説明できた。