The Proteasome Is an Essential Mediator of the Activation of Pre-MPF during Starfish Oocyte Maturation
(プロテアソームはヒトデ卵成熟中のMPF前駆体の活性化に必須の因子として働く)
Sawada,M.T./ Kyozuka,K./ Morinaga,C./ Izumi,K./ Sawada,H.
1997年7月 Biochemical and Biophysical Research Communication 236,40-43
ヒトデの卵成熟は,強力なプロテアソーム阻害剤であるMG115を100μM添加することによって阻害されたが,膜透過性システインプロテアーゼ阻害剤であるE-64-dによって阻害されなかった。
MG115による阻害効果は,卵核胞崩壊に要する時間の半分に相当する時間に添加したときには見られなくなった。
抗プロテアソーム-a-サブユニット抗体を顕微注入した時にも,卵核胞崩壊の強い阻害が見られた。
この抗体を顕微注入された卵母細胞は,卵成熟誘起ホルモンである1-メチルアデニン存在下においても,cdc2キナーゼの15番目のアミノ酸であるチロシンの脱リン酸ができなかったため,卵成熟促進因子前駆体(pre-MPF)を活性化することができなかった。
これらの結果は,ヒトデの卵成熟中,ホルモン刺激に応答した情報伝達において,プロテアソームは,cdc2キナーゼの脱リン酸化を通して,卵成熟促進因子前駆体を活性化する引き金であることが示された。