乳酸発酵原料の前処理に関する研究-乳酸による馬鈴薯澱粉質の液化-
森田幹雄/ 横田祐司
1996年7月 化学工学論文集 22,938-945
北海道の特産品である馬鈴薯から,生分解性ポリマーなどの原料となるL-乳酸の新規な発酵法の開発を進めている.
乳酸発酵法においては,発酵を促進させるために,まず澱粉質を加水分解によって低分子化して液化(可溶化)する必要がある.
工程内で生産される乳酸を用いて澱粉質を液化できれば,触媒の自給ができ工程の簡素化や下流での負担も軽減できるので,経済性の向上が期待される.
この観点から,本報文では乳酸による馬鈴薯澱粉質の液化の可能性について検討した.
すなわち,馬鈴薯澱粉(精製澱粉)を試料として,乳酸濃度による液化率と液化澱粉質の分子量分布を測定した.