流動層の安定性と粒子相互作用

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ

千葉繁生
1996年8月 化学工学 60,528-530

 Geldartの粒子分類においてA粒子と称される百ミクロン以下の微粒子は,最小の流動化開始速度Umf以上のガス流速において均一な膨張層を形成し,その直後に気泡が発生する特徴がある。 これに対し,粒子の大きさで比較すると,百ミクロン以上のB粒子は最小の気泡発生速度UmbとUmfはほぼ一致し,層の均一膨張現象は出現しなくなる。 このようなA粒子からB粒子の粒径による流動現象の遷移については,これまでに多くの研究がなされ,遷移条件を記述する理論式や実験式が提案されている。 しかしながら,A粒子であっても粒子間付着力が増大した場合,あるいは粒子表面エネルギーの影響が無視できない数ミクロン以下の微粒子(C粒子)の場合には,凝集体の形成,チャンネリングの発生,ついには非流動化状態を呈するようになる。 このようなC粒子からA粒子への遷移に関する理論的観点からの検討は殆どなされていない。