カナダ・アルバータ州立大学における在外研究

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津田栄
1996年8月 北海道通産情報 51(8),42-43

 当所では、現在「低温バイオテクノロジー」を重点研究分野の一つとして取り上げている。 この研究は、北海道を含む世界の寒冷(極寒)地域の産業開発を念頭に置いたもので、研究の素材としては今のところ不凍タンパク質(低温下でも水を凍結させない機能をもつ蛋白質)や氷核タンパク質(より高い温度で水を凍結させる機能をもつ蛋白質)そして低温活性酵素(低い温度でも高い機能を発揮する蛋白質)などがある。 このような素材に対する生物化学的な研究というのは、世界的に見てもやはりカナダ、ロシア、ノルウェー、スウェーデン等の寒冷(極寒)地域の国々が昔から力を注いでいるようである。 その中でも、このほど著者が研究員として派遣されたカナダ・エドモントン市にあるアルバータ州立大学は、何億円もする核磁気共鳴(NMR)実験装置というものを駆使してのタンパク質研究を展開していることで知られている。 本稿では、1996年の2月1日から3月25日までの約2カ月間、著者が同大学で行った研究の様子とその周辺に関係する話題を紹介してみたい。