炭化チタン・炭素複合構造被覆材料の製造

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西村興男/ 矢部勝昌/ 外岡和彦
1996年1月 北海道工業技術研究所報告 66,71-92

 表面改質技術は単機能改善の点では大きな進歩を遂げ実益に寄与してきた。 これをさらに進めて,表面改質による多機能化が現在の要請の一つとなっている。 本研究で製造しようとしている材料は炭化チタン相と炭素相と言う性質の異なる2つの化合物相から成る被覆材料(多相複合構造材料)で,炭化チタンが持つ高硬度,耐磨耗性と炭素相の優れた化学的安定性,潤滑性,生体不活性などの性質を合わせ持つ多機能化された材料として想定される物質である。
 本研究では,種々の条件で炭素過剰状態のチタン炭化物膜を合成して,系統的に膜の性状を調べ,多相複合構造生成の可能性と最適条件を検討した。 さらに,生成膜の硬度,耐食性,抗血栓性などの材料膜の機能を調べ耐食耐磨耗材料や生体材料としての可能性を探った。 また,RESを利用した方法の新しい高効率炭化物膜製造のための炭素源としての可能性を調べた。