IV族ハロゲン化物を触媒とする芳香族類の重縮合と複合化炭素材の製造に関する研究
-ゲルマニウム・炭素複合体中の残留ゲルマニウム含量制御法の検討-

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高橋富樹/ 西村興男/ 森田幹雄
1996年1月 北海道工業技術研究所報告 66,65-67

 Ge・炭素複合体は潤滑性並びに耐酸化性に富むと言う特性を持った複合体である。 当然,複合体のGe含量はこれらの特性に影響を及ぼすことが予測できる。 複合体のGe含量を任意に調製できる方法の確立が望まれる。
 触媒として使用したGeI4は,そのままの形であるいは一部酸化物に変化して重縮合体中に均一に分散して残留する。 GeI4は440℃で沸騰して一部元素状Geに熱分解する。 GeOは710℃以上で昇華する,GeO2は融点約1100℃で炭素共存中GeOを経てGeまで還元されるが,GeOに還元された段階で揮発する,Geそのものは沸点2830℃である,などの性質がある。 これらの性質を利用あるいは考慮して,Ge・炭素複合体中の残留Ge量を制御する必要がある。
 本研究では,重縮合段階の反応条件を変えて残留Geを制御する方法,後段の熱処理段階で残留Geを制御する方法,の二方面から残留量制御の可能性を検討した。