IV族ハロゲン化物を触媒とする芳香族類の重縮合と複合化炭素材の製造に関する研究
-ゲルマニウム・炭素複合体の潤滑性-

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高橋富樹/ 広沢邦男/ 梅田一徳/ 森田幹雄
1996年1月 北海道工業技術研究所報告 66,58-59

 芳香族類の液相炭素化段階において,IV族ハロゲン化物を炭素化促進剤として使用すると同時に生成重縮合物中に積極的に残留させ,次段の高温熱処理によってIV族化合物を分散させた炭素複合体を調製する方法と生成炭素複合体の性状について検討している。
 この検討過程で,特にGeハロゲン化物を用いた場合の炭化物が,簡単に擦り潰すことができるような軟質性であることを観察した。 すなわち,固体潤滑剤としての利用の可能性が考えられた。 層状構造を持つグラファイトは固体潤滑剤としての機能をもつが,層構造のあまり発達していない炭素体においても複合化によってその潤滑性を向上できる可能性がある。
 本研究では,純炭素の調製が可能なアントラセンを原料とし,GeI4を炭素化促進剤として調製したGe・炭素複合体の潤滑性を検討した。