IV族ハロゲン化物を触媒とする芳香族類の重縮合と複合化炭素材の製造に関する研究
-アントラセン重縮合体の高温熱処理と複合化炭素体の製造-
広沢邦男/ 高橋富樹/ 森田幹雄
1996年1月 北海道工業技術研究所報告 66,43-49
芳香族類の液相炭素化段階において,IV族ハロゲン化物を重縮合促進剤として使用すると同時に生成重縮合体中に積極的に残留させ,次段の高温熱処理においてIV族化合物を分散させた炭素複合体を調製できる可能性がある。
本研究では,CCl4,SiCl4,TiI4,GeI4,ZrCl4,HfCl4を重縮合促進剤に用いて調製したアントラセン重縮合体を2000℃まで高温熱処理した場合の母材炭素のグラファイト化性,残留IV族化合物の形態変化と,TiI4による重縮合体を例としてIV族元素の分散状態,粉末状生成炭素複合体の導電性と空気中における酸化反応性を検討してみた。