IV族ハロゲン化物を触媒とする芳香族類の重縮合と複合化炭素材の製造に関する研究
-瀝青物質の重縮合と重縮合体の光学異方性組織構造-

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広沢邦男/ 森田幹雄
1996年1月 北海道工業技術研究所報告 66,25-36

 前章までに述べたように,IV族ハロゲン化物を触媒に用いることによって通常よりも比較的低い反応温度で収率良く芳香族類の重縮合を促進させ,多環芳香族巨大分子の分子配向の整った(光学異方性組織構造の発達した)重縮合体を調製することができる。 また,IV族ハロゲン化物の選択によって同じ原料から分子配向性の異なった重縮合体を調製できる可能性がある。
 本研究では,瀝青物質を原料として所望の分子配向を持った重縮合体調整の可能性を明らかにするために,CCl4,SiCl4,TiCl4並びにこれら混合体を触媒としてアントラセン,石炭分解抽出物,コールタールピッチ,クエート原油アスファルトの重縮合を試み,これら瀝青物質の重縮合に対する触媒活性と重縮合体の光学異方性組織構造を比較検討してみた。