IV族ハロゲン化物を触媒とする芳香族類の重縮合と複合化炭素材の製造に関する研究
-IV族ハロゲン化物の重縮合触媒作用-
森田幹雄/ 広沢邦男/ 高橋富樹/ 日野雅夫
1996年1月 北海道工業技術研究所報告 66,3-6
芳香族類の接触重縮合反応には,AlCl3やZnCl2などのルイス酸を触媒としたカチオンを中間体とする反応やKなどのアルカリ金属を触媒としたアニオンを中間体とする重縮合反応がある。
著者らは,芳香族類の液相重縮合反応においてハロゲン化炭素が重縮合促進作用を示すことを見いだしたことから,他のIV族ハロゲン化物も同じく重縮合触媒として機能することが予測された。
本研究では,アントラセンを試料としてC,Si,Ti,Ge,Sn,Zr,Hfのハロゲン化物の重縮合触媒活性を比較確認するとともに,触媒作用機構を考察した。
また,触媒の相違による生成重縮合物中の光学異方性組織構造も観察した。