木材の熱分解によるレボグルコサンの収率に及ぼす昇温速度の影響
三浦正勝/ 田中重信/ 安藤公二
1995年7月 化学工学論文集 21,843-846
木炭製造においては,最初から高い温度で炭化速度を速めるとその収炭量が少なくなることから,温度が比較的低い緩徐の操作で行うのが適当とされている.
われわれはこの収炭量の増加の原因について,緩徐の温度つまり昇温速度が小さい条件では,低次分解生成物が粒子外に留出せず重合によって粒子内に固定されるので炭化物収率が大きく,昇温速度の増大と共に低次分解生成物の留出量が増大するのでこれに含まれるレボグルコサンの収率向上が期待され,一方,炭化物の収率は減少すると考えた.