沿面コロナ放電CVDで合成したAlN微粒子中の不純物酸素の熱処理除去における添加剤効果
近藤和夫/ 播磨和幸/ 篠原邦夫/ 大山恭史/ 千葉繁生
1995年5月 化学工学論文集 21,424-429
沿面コロナ放電CVDにより合成したAlN粒子にAl2O3として含まれる不純物酸素の熱処理除去における添加剤の効果について検討した.
AlN粒子に還元剤としてCを混合し,窒素雰囲気中で1673Kで22時間の熱処理でAl2O3回折線が消滅するが,熱処理後の粒成長と粒間の融着が著しく進行した.
そこで,市販のAl2O3粒子に添加剤としてCa,CaF2,Y2O3を選びCとともに熱処理を行った.
Ca,Y2O3では粒径が数100nmの均一な独立粒子が得られたが,CaF2では粒成長し,数μmの粗大粒子も生成した.
またCa,CaF2では熱処理によりAl2O3の回折線が消滅したが,Y2O3では残存した.
従ってAl2O3の場合,粒成長と粒子間の融着を抑制し,同時に還元窒化反応を妨げない添加剤はCaであることを見いだした.
CVDで合成したAlN粒子にCaを添加すると,1673Kで3時間でAl2O3の回折線が消滅し,それは無添加時の1/7の時間であった.
また粒径は数100nmで均一な独立粒子が得られた.