冷熱輸送に関する研究-冷たいエネルギーを運ぶ技術-

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武内洋
1995年12月 北海道通産情報 50(12),38-39

 熱をA地点からB地点に運ぶ際に問題になるのは熱を運ぶための動力と、熱の正味の量である。 仮に冷房用の冷たいエネルギー(これを冷熱という)を考えると、冷たい水をA地点からB地点に運ぶためのポンプの動力と、冷熱を水のみで運ぶかあるいは水の中に氷を混ぜるかがそれに相当する。 氷を混ぜる場合、冷熱の正味の量が増大するのは水枕を使ったことのある人ならば体験的に捉えられるはずである。 氷に代表されるような物質を相変化物質というが、相変化物質を含む潜熱スラリーとしては氷水スラリー、ちょうど水と油を混ぜたような状態の潜熱エマルジョン、ある気体を籠状の水分子の中に閉じこめたクラスレート(気体包接水和物)水溶液などが最近活発に研究されている熱輸送方式である。