バイオマスは有用な化学物質や医薬品の宝庫

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三浦正勝
1995年1月 北海道通産情報 50(1),48-49

 私たちが雑誌、TVなどで見聞きするバイオマスとは、「生物現存量」とも訳され、光合成によって炭酸ガスや水などの無機物からつくられる植物や海草などと、それを食べる生物や分解する微生物およびこれらの有機廃棄物も含む言葉です。 北海道は、1年のうちの約1/3は氷点温度を下回る低温環境の条件下となりますが、この地域に生育するバイオマスには、その厳しい低温環境で生命を育み成長・増殖するための有用で特異的な生理的物質を多く含んでいると考えられます。 また、未発見で低温下でも活発に活動する利用価値の高い微生物や酵素の存在も期待され、当所で取り組んでいる課題の一つでもあります。
 バイオマスの中では木質系植物の量が最も多く、道内ではカラマツなどの針葉樹の伐採量が増加しており、その有効利用が大きな課題となっています。