Sephadex LH-20による石炭液化油の溶出挙動

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吉田忠/ 土屋英保/ 中田善徳/ 横山慎一/ 長谷川義久/ 横山晋/ 吉田諒一
1995年3月 北海道工業技術研究所報告 63,22-25

 石炭の水素化分解反応によって得られる液化油は,アルキル置換基を有する芳香族及び水素化芳香族炭化水素を主成分とし,他にフェノール性OH基や環内窒素などのへテロ原子を含む極性化合物から成る多成分系混合物である。
 当所では,石炭液化生成物の化学構造について1H-NMR法,13C-NMR法,IR法およびFI/FD質量分析法などを用いて解析を進めてきたが,さらに精度の高い構造解析を行うには,液化生成物をあらかじめ分子量の大きさ,構造タイプあるいは極性夕イプ別など類似した化学構造系に分別しておくことが必要である。 従来,石炭液化油の分別は,1)蒸留方,2)蒸留/酸・アルカリ抽出法,3)溶剤分別法,4)アルミナおよびシリカゲルによるクロマトグラフィー,5)分子サイズに基づくGPC法,6)酸・アルカリ抽出/GPC法,7)化学構造タイプに基づくクロマトグラフィー,および8)縮合芳香族環のサイズに基づく高速液体クロマトグラフィーなどにより行われてきた。
 本研究では,石油系炭化水素,低温コールタールおよび石炭抽出物の研究において,分子サイズと同時に化学構造タイプによる分別が可能とされているSephadex LH-20を用いて,石炭液化油の溶出挙動について検討した。 Sephadex LH-20は,デキストランを三次元的に架橋させて網目構造を持たせ,かつ内部に存在する多数の水酸基をアルキル化して非水溶媒系においても使用できるようにしたものであり,分子篩効果のほかに官能基による吸着効果も認められている。