ヒト代謝酵素発現細胞を利用する変異原性試験法

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扇谷悟
1995年2月 ぶんせき 1995,140-141

 化学物質の中には,そのままでは変異原性を示さないが,肝臓などで代謝されることによって変異原活性を持つ物質に変化する(「代謝的活性化」と呼ばれている)ものが数多くある。 このような代謝的活性化を必要とする化学物質を検出するために,ラット肝細胞やその破砕液遠心上澄みを加える変異原性試験法も現在採用されている。 しかし,ヒトと動物では代謝能が異なっていることが明らかにされてくるにつれ,ラット肝を代替として用いるのではなく,ヒトの代謝的活性化系を用いた変異原性試験法に興昧が注がれてくるようになった。 そこで本稿では,ヒトの代謝酵素を発現(生産)する遺伝子組換え細胞を利用した変異原性試験法について取り上げた。 なお,変異原性試験法の詳細に関しては既に本誌に掲載されているので参考にされたい。