reversed geneticsが「reversed」でなくなった頃
扇谷悟
1994年10月 工業技術 35(10),29-29
生物の何かの現象が観察されたとき,バイオ研究には2つのアプローチがある。
まず原因と考えられるタンパク質を解析し,次にその遺伝子を調べるのが「伝統的な」遺伝学,生化学である。
一方,まず遺伝子の変化を調べ,ついでそれが原因であることを,遺伝子工学的にタンパク質を作らせたり,遺伝子変異を人工的に導入した生物を作成して変化を調べたりして証明しようとするのが「reversed genetics(逆向き遺伝学)」である。