小型落下実験施設による微小重力工学研究の新展開
相沢正之
1994年6月 北海道通産情報 49(6),56-57
平成3年10月,北海道上砂川町に短時間微小重力実験施設としての地下無重力実験センター(JAMIC)が開設されて以来,当所は積極的に微小重力関連研究を推進し,地上実験では得られない微小で分散性のよいセラミックス超微粒子や緻密な構造をもつ新合金などの創製,対流のない状態での燃焼反応の解明,および無重力環境での粉粒体のハンドリング技術の開発などに成果を上げてきました。
さらに,微小重力環境の特質を解明し,その利用技術の開発を効率的に進めて行くために,簡便で手軽に利用でき,JAMIC施設利用のための予備実験も可能な微小重力実験施設を“極限環境研究棟”として導入することとし,平成5年度補正予算で建設を進めてきましたが,去る3月末に完成いたしました。
工場建て以外には2階建ての建物しかなかった当所にとって,4階建て(高さ:約23m)の研究棟は,今後の北工研のシンボル的存在と期待されています。