石炭をガスに変える
武田詔平
1994年2月 北海道通産情報 49(2),44-45
石炭は,エネルギーおよび製鉄用原料として現在主に使われています。
日本で消費される石炭の量は年間およそ1億トンで,その内電力用は約3,000万トン,製鉄業では約6,000万トンです。
エネルギーの需要はこれからも増加することが予想されており,石炭の多くを輸入に頼っている日本では,できうる限り有効に使うための技術を開発することが地球環境を守るためにも必要なことです。
石炭をエネルギーとして利用する技術は,火力発電,ガス化,液化の三つが主要なものです。
火力発電は既に商業化されており,ほぼ完成された技術です。
これに対し,石炭をガスに変えるガス化では,ガス化発電や合成ガス製造を目的として開発研究が取り組まれています。
ガス化発電は火力発電に比べて石炭の持っているエネルギーをより効率よく利用できる技術として注目されています。