トリクロロエチレン等の無害化

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先崎哲夫
1993年2月 新時代を築く-通商産業省工業技術院研究成果集- p66

 トリクロロエチレンなどの有機塩素化合物は、半導体産業、ドライクリーニング業界等で使用されているが、排出物による地下水汚染が問題となっている。 しかし、現在のところ抜本的な処理技術が確立されておらず、早急な処理技術の確立が待たれている。
 有機塩素化合物は、炭化水素の塩化物であることから、これを還元すると元の炭化水素に戻り、無害な物質に改質することができる。 したがって、適度の反応性を持つ還元剤を用いると、有機塩素化合物による汚染水の処理が可能である。 従来の還元剤は表面が劣化して還元力が低下する等の実用上の解決すべき問題があったが、本研究では、鉄の表面にニッケル等をコーティングした高性能な還元剤を開発した。 これによって、汚染水中のトリクロロエチレン濃度を検出限界値以下まで処理可能となり、現在地下浸透が禁止され、その処理に頭を悩ましている関係産業界への朗報となっている。