二酸化セレンを用いた石炭の加熱処理と処理炭の液化反応特性
木谷和美/ 真田雄三/ 千葉忠俊/ 永石博志
1993年8月 日本エネルギー学会誌 72,778-786
石炭から含酸素基をあらかじめ除去することができれば,水素化分解の際に水の生成を抑制し,水素消費量の低減が期待できる。
著者らは,石炭にSeO2を添加混合して熱分解すると,653〜873Kの温度範囲で一酸化炭素の生成量が増加すること,またSeを触媒として用いると,石炭の液化反応速度が大きくなることを明らかにした。
そこで,本研究では,まず石炭にSeO2を加えて低温加熱処理したときのガス発生特性を測定した。
ついで,処理炭を液化し,反応進行による水素消費量の変化を求めた。
そして,処理しない場合の結果と比較し,SeO2加熱処理の石炭液化前処理法としての可能性を検討した。