ファインセラミックス原料の省エネルギー的製造技術に関する研究
-ファインセラミックスの合成と焼結試験-SiC及びSi3N4の合成-

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下川勝義/ 関口逸馬/ 植田芳信/ 鈴木良和/ 本間専治
1993年3月 北海道工業開発試験所報告 59,33-47

 近年,籾殻炭化物を原料として,高純度,あるいは繊維状のSiC及びSi3N4を合成する研究が行われている。 しかし,籾殻炭化物を用いて籾殻中のSiO2とCからSiC及びSi3N4を合成する場合,合成された生成物には,いくつかの問題点が指摘されている。 その中でも,得られた生成物,例えば,SiCの粉体中にSiCウィスカーが混在していると,焼結した時に,十分焼結されず亀裂発生の原因となる。 これを防ぐために生成物からウィスカーと粉体(粒子)を分離する必要があること,また,3SiO2 + 6C + 2N2 → Si3N4 + 6CO 及び SiO2 + 3C → SiC + 2CO の反応では,SiO2に対して炭素はそれぞれ2あるいは3モル必要である。 この籾殻炭化物中の炭素は,約6モル以上含まれており,反応後の生成物中には,未反応の過剰炭素(約3モル以上)とSi3N4及びSiCが混在する。 この過剰炭素を燃焼させて純粋な生成物を得るが,その燃焼によって発生する局部的な発熱によって反応生成物が酸化されること,及び籾殻中の不純物(微量金属元素,特にK,Naなど)による品質(電子部品など)の低下が主要な問題点として挙げられる。
 著者らは,これらの問題点を解決すべく各種の方法でセラミックス合成を行った。 これは,高純度を目的とするもの,機械的強度の強いもの,特殊な性質を示すもの,あるいは,一度に多量に合成する方法など,目的生成物を得るためと,これに合った合成条件及び反応生成物の影響などについて検討した。 その結果いくつかの知見が得られたので報告する。