ファインセラミックス原料の省エネルギー的製造技術に関する研究
-振動流動層-振動流動層装置の試作及び改造-

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下川勝義/ 植田芳信/ 本間専治/ 鈴木良和/ 武田詔平/ 佐山惣吾/ 河端淳一
1993年3月 北海道工業開発試験所報告 59,26-32

 これまで,籾殻炭化物を用いて,1〜20g程度の処理能力を持つ小型電気炉で,SiC,Si3N4などのセラミックス合成を行ってきた。 しかし,小型装置(特に固定床)の結果をもとに,スケールアップを試みたが,試料量が多いと層高に対して拡散速度などの影響が現れ,均質な生成物が得られなかったり,結晶化度の低い生成物になる場合がみられた。 また,一回の反応で粉体試料の特性,焼結試料の性能評価などを調べるためには,その試料量の確保と,さらには,短時間で均質な試料を多量に合成する方法を確立させる必要がある。 そこで,流動層を用いる方法などが検討されたが,籾殻炭化物のような軽い微粒子では流動化が困難なことと反応ガスが多量に必要となることから熱エネルギーのロスが非常に大きな問題になる。 本研究では,流動層に40〜60Hzの微振動を与える振動流動層装置を用い,高温中で多量の試料を少ないガス量で流動化を可能にさせることによって,均質な生成物を一度に多量に合成する方法について検討した。
 本報告では,窒化ケイ素・炭化ケイ素等のファインセラミックス原料の合成に必要な1,500℃以上で運転可能な高温型振動流動層装置の開発を目標にして,本装置製作の過程で発生した問題点とその対策について報告する。