ファインセラミックス原料の省エネルギー的製造技術に関する研究
-籾殻の利用及び炭化物の性状-籾殻炭化物の調製-
本間専治/ 下川勝義
1993年3月 北海道工業開発試験所報告 59,13-21
籾殻に含まれている反応性の高いケイ素と炭素を利用して,炭化ケイ素(SiC)を製造できることはCutlerらによって報告されている。
彼らは,次の反応式によりSiCが生成することを明らかにした。
SiO2 + 3C → SiC + 2CO (1)
以来,多くの研究が行われてきている。
一方,その原料となる籾殻炭化物の製造法については,農業用土壌改良材や製鉄工業などへの利用を目的とした報告はあるが,SiC原料の製造を目的とした研究は少ない。
SiC合成の原料として,工業規模で籾殻炭化物を製造する場合には,炭化物中のけい素と炭素の割合を一定の割合に容易に制御できること品質の安定した炭化物を再現性良く,効率的に製造できることなどが求められる。
本研究では,その製造方法として攪拌式流動炭化炉を応用することを試み,装置特性,操作条件と籾殻炭化物中のC/SiO2の関係について調べた。
また,得られた炭化物を原料としてSiCを合成し,炭化物の評価を行い,最適炭化条件の検討を行った。
それらの結果について以下に報告する。