イトマキヒトデを使った卵成熟の研究
澤田美智子
1992年2月 北海道通産情報 47(2),42-43
個体の生と死のサイクルに人類は神秘を感じ,生命の謎解きにロマンを抱き,長年それを研究してきました。
また,生命の営みを解きあかすことは,親の遺伝病を子供に受け継がせたくないとか,老化を遅らせたい,ぼけ老人になりたくないとか,癌の苦しみから逃れたい,という現実の切なる願望を成就させるための糸口にもなります。
個体の誕生と消滅,細胞の生と死のサイクルの中のどの段階の現象を研究しても,研究が進むにつれて他の段階の現象と結局結び付きます。
したがって,どこから研究を始めてもよいわけですが,私は,女性あるいは雌と言われている個体の中で,卵細胞が成熟して精子との出合を待つ過程を研究しています。