海産生物内のバイオミネラル
伊藤三郎/ 緒方敏夫
1992年1月 北海道通産情報 47(1),48-49
魚介類の中には体内に有機成分を構成する炭素,水素,酸素,窒素の他に多量のカルシウム,マグネシウム,ナトリウム,カリウム,塩素,燐,硫黄等の無機成分をもっているものが多数ある。
無機成分の含量は動物種によって異なるが,多いものとして珊瑚や軟体動物(貝類),有孔虫などは80%以上を主としてカルシウム,マグネシウムの炭酸塩など鉱物質の形で蓄えている。
近年,地球温暖化現象が問題化し,その対策が緊急の課題とされているが,上記の動物類及び石灰藻など海産生物(大気中の二酸化炭素を不溶性のCaCO3として取込む機能をもつ)による二酸化炭素の固定化機構が注目され,研究が開始されている。