通気粉体層の微小重力下における挙動

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千葉繁生
1992年6月 平成4年度北海道開発工業試験所研究成果発表会要旨集 p37-41

 通常重力加速度が1Gの重力場においては、粉体層の重量以上のガス流体力を層全体に均一に伝達できれば円滑な気体-固体系の流動層が形成される。 粒子の運動は主に層内に発生する気泡の特性に依存し、気泡は粒子混合・偏析および伝熱などの諸特性を支配する。 また、化学反応操作を行う場合には気・固接触性が問題となるので、反応条件と粒子流動化条件を両立させることができれば、流動層は機能的なフレキシブルな反応場となる。 このような特徴を有する流動的な粉体層が微小な重力場においても再現することができれば、緩慢な流動化条件および反応条件の設定が可能となるので、1Gの条件では得られない流動層技術の展開、応用の可能性があると考えられる。 しかしながら、1G以下の重力下における粉体層の挙動について報告された例が殆どないために、合理的操作方法を検討する上でまず物理的現象の把握が必要である。
 本報告は、予め通気操作を施した所定の粉体層の現象が、短時間微小重力条件下においてどのように変化するかを、また、現象と粉体層の差圧変化との対応から粒子流体間の力学的関係について落下塔による微小重力実験の結果を基に考察する。