有機ケイ素プラズマ重合膜中の酸素の低減化

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山口宗宏/ 西村興男/ 鈴木正昭/ 中田善徳/ 奥谷猛
1992年6月 平成4年度北海道開発工業試験所研究成果発表会要旨集 p7-10

 近年、有機ケイ素ポリマーは電子的な性質など理論的な面において、また材料としての応用の面からも興味が持たれ多くの研究がなされている。 しかし、その合成法はアルカリ金属によるウルツ型カップリングに限られていた。 最近それ以外の方法として金属触媒による脱水素重合、マスクしたジシレンの重合、環状モノマーの開環重合、プラズマ重合などの研究が行なわれている。 このうち、プラズマ重合はモノマーの選択の幅が広い、ポリマーの位置制御性にすぐれている、また得られたポリマー膜にはピンホールがないなど他の方法にない利点を有している。 有機ケイ素化合物のプラズマ重合は、Si-O-Si骨格構造を持つポリシロキサン膜について多くの報告が見られる。 一方、原料モノマーに酸素を含まない有機ケイ素化合物をモノマーとしたプラズマ重合についてはその報告例は少ない。 有機ケイ素化合物のプラズマ重合膜に酸素が取り込まれる機構を検討し、反応後の取扱い時に酸素含有量が増大することを明らかにした。 さらに、酸素含有量の低減化のために、反応後の膜に残存するラジカルを安定化する方法について検討した。