ミクロ不均一反応場としての界面活性剤ミセル

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相沢正之
1992年6月 平成4年度北海道開発工業試験所研究成果発表会要旨集 p1-6

 1分子中に親水性基と疎水性基とをもつ両親媒性物質の多くは,水中(あるいは油中)において分子集合体を形成することが知られている。 界面活性剤や脂質などの低分子物質は分子間集合体であるミセルや二分子膜構造をもつベシクルなどを形成するのに対し,高分子物質である球状夕ンパク質は分子内で会合し,非常にコンパクトな立体構造で溶解している。 微視的には不均一であるこのような分子集合体は,構成する要素にはない集合体としての性質を示す。 界面活性剤ミセルによる親油性物質の可溶化や球状タンパク質の酵素機能などは,その代表的なものである。
 われわれはこのような分子集合体としての性質に注目し,ミクロ不均一系(microhetero-geneous system)を新しい物質・材料を創製するための反応場として利用することを目指している。