オキシナイトライドガラスの構造と性質に関する研究
-Li-Al-Si-O-Nオキシナイトライドガラスの結晶化と結晶化ガラスの性質-
鵜沼英郎
1992年12月 北海道工業開発試験所報告 57,36-42
酸化物ガラスに窒素を導入すると、化学的耐久性、耐熱性、微小硬度および弾性率などが高くなる。
オキシナイトライドガラスを結晶化させることにより、優れた性質を持つ結晶化ガラスの製造が期待される。
オキシナイトライドガラスの結晶化については多くの研究がある。
しかしながらオキシナイトライドガラスから得られる結晶化ガラスの性質に関する研究は少ない。
実用上重要な結晶化ガラスが多く知られている。
例えば、Li2O-Al2O3-SiO2系の結晶化ガラスは非常に低い熱膨張係数を持つために、精密光学系で用いられたり、繊維強化結晶化ガラスのマトリックスとして検討されたりしている。
本節では、Li2O‐Al2O3-SiO2系の結晶化ガラスが実用上重要であることを念頭におき、Li-Al-Si-O-Nガラスの結晶化と得られる結晶化ガラスの性質を調べた。
本系の結晶化挙動をLi-Si-O-N系のそれと比較検討した。