オキシナイトライドガラスの構造と性質に関する研究
-Li-Si-O-Nオキシナイトライドガラスの結晶化-
鵜沼英郎
1992年12月 北海道工業開発試験所報告 57,29-35
オキシナイトライドガラスの高温における挙動についてはいくつかの研究がある。
酸化物ガラスに窒素を導入すると、粘度、ガラス転移温度および結晶化温度が上昇する。
また結晶化温度があまり変化しない系もある。
結晶化の際には窒素はSi2N2O、X-相、Si3N4、未知相およびある種の固溶体などの成分として結晶化するかまたはガラス相として粒界に残留する。
これら多くの研究があるにもかかわらず、オキシナイトライドガラスの結晶化に対する窒素の影響については系統的に理解されてはいない。
本節では、Li2O-SiO2ガラスの結晶化挙動と比較しながらLi-Si-O-Nオキシナイトライドガラスの結晶化について述べた。
結晶化温度、核形成機構および析出結晶相に対する窒素の影響について考察した。